出身は岐阜県。紅型に魅せられ沖縄に移住を決めた注目の作家 ー三浦敦子さん「琉球びんがた工房ちゅらり」
両親が古美術商だったため、伝統や芸術に触れる機会が多く、その影響から絵を描いたり、裁縫したりとモノづくりが好きな子供だった三浦さん。出身地は岐阜、しかも前職は公務員という経歴。実は、ご両親の強い希望で将来が安定できそうな職を選んだそうですが、転勤先の福岡で紅型に出会い、結局は昔から好きだったモノづくりの道に戻ったそうです。
沖縄に移住し、紅型後継者育成事業に参加。その後、若き担い手を積極的に輩出している屋冨祖幸子さんの工房で、紅型制作工程を一からみっちり学ばれました。屋冨祖さんの教えは「伝統を繋ぐのに大切なのは基本」。糊つくり、配色、隈取り、蒸し、水元(洗い)、縫製等…数々の工程の修行と経験を積み、2017年ついに「琉球びんがた工房 ちゅらり」を構え、10年目にして念願の独立を果たされました。今年はりゅうぎん紅型デザインコンテストで奨励賞を受賞。いま注目の若手紅型作家さんです。
三浦さんの工房は白を基調としてとても明るく、そしていつでもすっと型紙や道具などが手に取れるよう整理されていました。 ここから生まれてくるどの作品にもそのお仕事ぶりが反映され、実にキリリとしています。
印象強い紅型の古典スタイルを取り入れながらも、手にした時にフッと笑顔になるような遊び心のあるモチーフが三浦さんのテーマ。そんな三浦さんの作品は、着ける人を応援してくれる心強いパワーがあって気分が上がります。“勝負服”のような、何かいいご縁を引き寄せてくれる気がします。