琉球藍が生まれる頃

先週、10月に行う沖縄きもの販売のため、工房巡りの今帰仁エリアへ向かう途中、琉球藍の生産工場がたまたま「発酵」を始められたとの情報があり、寄り道して見学させてもらいました。

↑水入れしてから2日目。かなりぶくぶくと泡立って藍が成長してしています。水槽の中では琉球藍の葉からインディゴ成分が徐々に染み出ているのです。

↑藍の葉に水を入れたばかりの水槽(右側)との比較。

琉球藍の収穫は6月と11月の年2回。この2か月が1年で一番忙しく、前回の沖縄訪問(昨年9月)この工場を覗かせていただいた時は、確かにがらーんとしてました。琉球藍は刈ったあとの茎に直射日光が当たると根がだめになってしまうので、日光が弱まって曇りがち~小雨の天気が多いこの時期(6月と11月)が収穫に適しているようです。

インディゴが染み出た水は、水槽の中でうまく藍の葉分けられ、その水に石灰を混ぜて上澄みを除けば、どろどろになった「藍の元」=泥藍、が出来上がりという訳です。…とはいえ、ここまでもかなりの重労働。琉球藍製造所はこの地域でもこの1か所しかなく貴重な見学をさせていただきました。

琉球藍で染められた着尺地・帯地は春・夏の「みやらび展」でお買い求めできます。

日本には藍にまつわる様々な色の名称があります。生の藍を使って染めると、その水は葉の色と同じ緑色ですが、布地に染まると薄い水色になり、これがいちばん淡い藍色、最も薄い藍染で「甕覗(かめのぞき)」と言います。